出発!
平成20年6月6日

朝6時にセットしたアラームが鳴って、まだ寝たい気持ちをを抑えてベットから這い上がり、洗面所で顔を洗う。

清涼里8時発の列車に乗るにはホテルを7時過ぎには出ないといけないなぁと、着替えて取り合えず朝食の為に19階のレストランに。
前回は朝食付きでは無かったので利用しませんでしたが、今回は朝食付きプラン。
レストランの入口で部屋番号を伝えて、トレーを持って出ている料理からチョイスします。 まあ、良くあるホテルの朝食って感じですね。スクランブルエッグやソーセージなんかとパンとドリンクを持ってきて、窓側の席に座って食べますが、起きてまもの無いので、そんなに食欲があるわけでも無い。
適当に朝食を済まして、荷物を用意してホテルを出ます。

清涼里駅乙支路入口駅から2号線に乗って往十里駅で中央電鉄線に乗り換えます。
それにしても、韓国の電車は日本じみた感じがします。さっき乗った2号線は旧い車両で旧国鉄型の103系に似てますし、この電鉄線の車両も新型ですがJRの231系みたいな感じです。

中央電鉄線は地上を走る中央線なのですが、これまた土曜の朝とあってか15分間隔運転と結構、間がある。
これなら、市庁で1号線に乗り換えた方が早かったかな? 10分ほど待ってやって来た電車に乗込み1駅で、清涼里駅に到着です。

電鉄線なので、長距離列車が発着する駅舎に到着するので、便利ですが、本数が少ないから、1号線を使う方が良いですね。

発車案内 まだ改札は始まってないようで、これから6時間の長丁場になるので、何か飲食物を買っておこうと駅舎の外に出ると、セブンイレブンがあったので、そこでパンやら飲み物を調達します。
再び駅に戻ると既に改札が始まっていて・・・改札と言うよりゲートが開いたって感じです。入口で切符を確認することは無かったし。

ちょうど7時55分に出る、春川方面行きの列車もあるので、結構ごったがえしています。
江陵行きは5番線なので、ホームに下りると直ぐに指定されていた1号車でした。取り合えず機関車を見に行こうと列車の先頭まで行ってみます。

ムグンファの電気機関車今日は全区間電化されている路線なので電気機関車が牽引します。
スマートなヨーロッパスタイルの機関車で、隣のディーゼル機関車に比べて格好よく見えます。
再び1号車の方に向かって歩くのですが、普通車の方が最近製造されたような感じで車内が明るく感じるのですが、一等車は製造から少々時間が経ったようで、なんか車内が暗く感じられます。座席配置は2−2で、シートピッチも広くて日本のグリーン車並みです。

一応フットレストらしきものがあるのが一等車の証? 指定された座席番号は59番で進行方向右側の窓際と、最良のポジション?です。なんせスイッチバックやループカーブを眺めるには右側が良いらしいし、海岸線を走る際も海側になるし 続々と乗客が乗ってきて、一等車も満席になり、立席券で乗ってきた人たちが右往左往していています。

8時定刻に列車が動き出します。アナウンスもありますが、全てハングルなので全然判りません。車掌らしき人が、打ち出した紙を見ながら座席確認をしていきますが、切符の拝見はありませんでした。多分、売れてない席に座っていれば、チェックされるのでしょう。

列車は首都圏電鉄線と同じ線路を走ります。中央線が電車化されたのは最近なので、駅も綺麗になっています。 スピードも出てきたところで、いきなり非常ブレーキの音。なんだ?と窓にへばりついて外を見ますが、原因は判りません。特にアナウンスも無く、1分ほど止まって発車します。 ソウルの郊外住宅地やマンション群を眺めていると、徐々に緑が多くなってきます。

電鉄区間の終点が過ぎると、一気にローカル色が強くなってきます。駅も近代的だったのが、低いホームになってスロープと構内踏み切りに駅舎と言う、日本の昭和40年代のような感じにも見えます。 場所によっては高速化工事も行われているようで、トンネルやら直線高架工事をしている箇所もあります。標準軌とあって、乗り心地は悪くはありません。ちゃんと保線が行き届いているのでしょう。

対向列車と交換列車は1時間程で最初の停車駅「楊平駅」に停車します。 ココで2割程度の乗客が降車します。隣席のアジュマも下りていき、隣が空いて出発します。 時折、車内販売が回ってきます。
販売員が男性と言う点を除いて日本の車内販売と内容はほぼ同じですね。

車窓も単調な風景が広がっていき、うつらつらしてしまいます。なんせ昨日は朝早くで夜は遅かったし・・・

記憶が戻ると列車は「原州駅」に進入するところでした。大きな街のようで、車内の半数近くが降車して下りた客の半分位が乗ってくると言う感じです。
隣にはおじさんが座ってきました。手に持っていた切符のちっらと見ると到着時刻が14:27と書いてあったので目的地は同じ江陵のようです。

堤川駅からは中央線を離れ太白(テベク)線に入っていきます。ここから山岳地帯に入っていきます。右や左に曲がりながら列車は進んでいきます。 今まで田園調だった風景が山岳風景に変わっていきます。 小さな駅(信号所?)で、対向する貨物列車と交換をしながら進んでいき、「寧越駅」で多くの乗客が降車します。

列車はどんどん山岳地帯を進んで行き、「甑山駅」でも下りる人が多く、車内も閑散とし始めます。 隣のおじさんも空いてる席に移っていきました。

スイッチバックの様子 太白駅あたりが、韓国鉄道公社の最高標高地点らしく、山の中の大きな駅と言った感じです。 この先は嶺東(ヨンドン)線に入り、お待ちかねのオメガカーブとスイッチバック区間です。

「東栢山駅」で貨物列車と交換します。
貨物列車はフランス型電気機関車の重連で牽引されてきました。総括制御の為か、前位と後位機関車の間には多くのジャンパ線が繋がっています。 駅を出て直ぐにトンネル工事現場近くを通ります。
トンネルは貫通しているようで、鉄道敷設工事が行われていて2009年度には開通する見込みだそうです。そうなるとこの先のスイッチバックは解消されることになります。

ここから、海沿いの東海(トンへ)まで山を下るようになります。列車は右に左にくねりながら、徐々に高度を下げていきます。 一瞬開けた場所を通過をすると、眼下にこれから通過する線路が見え、オメガカーブ(高度差で線路がΩのようになっている区間)に差し掛かったようです。
ただ、それからはカーブや岩肌などに遮られ、思っていた以上に展望が開ける場所が無く、あまりΩカーブを走っている実感が無いものです。

これなら、肥薩線や石勝線の展望風景の方が雄大だなと思ったり・・・ 続いてはZ型スイッチバックです。スイッチバックは日本でもまだまだ健在ですが、世界的に数を減らしてきています。
右側にこれから降りていく線路が見え隠れしているたのが、近づき合流したのが、興田駅(信号所)に到着します。列車が止まったと思いきや、直ぐに推進運転を始めます。

これには驚きました。大抵スイッチバックの場合、列車が停車した後ポイントの切り替えをして開通確認後に発車させるので、1分近くは停まったりするのですが、僅か10秒程で推進運転を始めます。
そう言えば、ハンディ無線機を持った車掌さんがさっきから行ったりきたりしてましたっけ 推進運転で下っていきますが、速度は45km/h位な感じです。

羅漢亭駅眼下に路線が見えてきて、徐々に近づいてきます。 3〜4分もすると、羅漢亭駅の駅舎が見えてきました。あー「鉄子の旅」で出てきた駅舎そっくりだ(って当たり前ですね) 列車は一旦駅舎を通り過ぎて、引き上げ線の中に入って、一旦停車。
またもや数十秒で運転再開です。それにしてもこの早業は凄いなぁ。
信号テコを返す技が凄いのか?それともせっかちな韓国らしいからか? ただ、あまりスピードが出ないと思ったら、羅漢亭駅の駅舎前で停車。
どうやら運転停車のようです。
しばらくするとディーゼル機関車に牽引された客車列車と交換です。ディーゼル機関車と言う事はプサンかテグへ向う列車でしょう。

羅漢亭を発車して、5分ほどで道渓に到着します。ここで峠越えは終わりで緩やかな下りが東海まで続きます。 東海は北東海岸でも有数の大型港で、貨物船なども停泊しています。ここで残っていた乗客の1/3が降りて、車内はガラガラになりました。
ここから列車は江陵まで海岸沿いに北上します。

鉄条網が続く海岸それにしても海岸沿いには延々と鉄条網が張り巡らされていて、北からの進入避けとなっているのですが、海岸に出られるように扉がついていて海水浴が出来るようになっています。うーんん、これではあまり意味が無いような・・・

小高い丘の上に船が鎮座しているのが見えると、列車はギネスブックに「世界一海に近い駅」と登録されている「正東津駅」に到着します。
ちょうど江陵〜東海間を走る観光列車と交換なので、海が対向列車で隠れてしまい、海が良く見えないのが残念です。
この駅は観光スポットになっていて、海側のホームからスロープで海岸に下りられるようになっていて、改札を通り抜けることなく海に出られるようになっています。

駅を発車して少し行くと、この付近の魚網に引っかかり拿捕された北朝鮮の潜水艦が展示されている公園があり、あれかとちらっと見えた瞬間にトンネルに入ってしまった。(泣) 市街地が見えてくると終着、江陵駅です。

ソウルから6時間強。いやー時間が掛かりました。

江陵駅ホームに降り立つと、ちょうど清涼里駅行きのムグンファが出発するところです。こちらは10両編成と長いことから増車したのでしょうか? お腹も減っていたので、まずは江陵名物の寸豆腐を食べようと、豆腐料理屋が並ぶ「草堂純豆腐村」へ向かおうと駅前のタクシー乗り場に向かうと列車から降りた人達で長蛇の列。客待ちしていたタクシーがはけてしまったようで、駅前の大通りに出てタクシーを拾う作戦に。

意外と空車がを来ないので、これなら駅のタクシー乗り場で待ってた方が早かったかな?と思ったところで、空車をGET。乗込んで、「草堂のスンドゥブ村」の所までと言うと頷き、ハングル語でご飯を食べるジェスチャーをするのでYesと返す。

走りながらハングル語で色々語りかけてくるが、良く判らなかったがジェスチャーを介していると、ははーん床屋はどうだ?と聞いているようだ。

草堂ハルモニ純豆腐店韓国では非合法になったと聞いたがまだまだ健在なんだ 10分程で「草堂ハルモニ純豆腐店」へ到着。15400Wと走った距離にしては安いです。
韓国は交通料金が安いのが助かります。

お店に入ると、メニューは2つ書いてあり、英語でTOFUと書いてあったので豆腐はTOFUなのかと感心してしまいました。

注文を取りに来たアガシにTOFUを頼むとハングルで何か言ってくるのですが、良く判らないので、SETだと言うと判ったようにうなずき奥に消えて言きます。
どうやらご飯をどうするのか?と言うのを聞きたかったらしい。

数分後、テーブルの上に湯豆腐みたいな感じの豆腐とご飯に定番のキムチが並びます。これで5000Wですから安い?ものです。
まずは豆腐を味付けなしで食べてみます。

うん、日本のスーパーで売っている豆腐より美味しい。味が濃いって言う感じで美味しいです。ちょっとぬるい感じが食べやすくてGoodです
そうやら冷奴タイプもあって後から入ってきた家族連れがそれを食べていて、あーあっちも美味しそうだなと思って両方頼んでも良かったかなとちょっと後悔。

イカが泳ぐ水槽さて、お腹も膨れたことだし、海岸へ行ってみようと道なりに歩いていきます。

地図ではそんなに遠くないようなので、テクテクとあるいて10分程で海岸沿いの海鮮料理屋が並ぶ一角に到着しました。
お店の前には生簀があって、ヒラメにスルメイカ、ソイやカサゴなんぞが泳いでいました。
この辺の売りは新鮮な魚介類を好みの調理方法で食べさせてくれると言うのですが、流石に一人だとちょっと勿体ないんですよね。
大人数なら色々な魚の種類や調理方法を食べれますからね・・・

海岸に出てみると、海の色がとっても綺麗な色をしていました。
海水に触ってみるとちょっと冷たく、寒流系の海って感じです。それにしてもここから北上すれば北朝鮮とは思えない平和なビーチです。

海岸を散策しながら「鏡浦湖」の方に歩いて行きます。
ソウルはちょっと肌寒かったので長袖を着てきたのですが、こちらは日が出ていてちょっと汗ばむ陽気です。

まあ、ソウルとは300kmも離れていますからね 湖の湖畔にはサイクリング道が整備されているようで、色々なレンタサイクルに乗った家族連れが沢山通ります。 確かに湖の景色は綺麗です。

さて、そろそろバスターミナルへ向かう時間です。タクシーを捕まえて「コソクバスターミナル」と言うと判ったと頷き、車を走らせます。 湖を半周するような経路になるので、風景を楽しみながら走り10分程でバスターミナルに到着します。 時間は16時半を回ったところで、まだ予約のバスが出発するまでに時間がある。

窓口に行くと16:45発のソウル行きチケットを発売している。予約を変更できないかなと窓口で英語で話しかけるが、理解できないようで、next BUSと言う単語を予約したバスの次のバスに変更と勘違いしたのか、受け取ったチケットを見ると17:40発のバスのチケットだった。
いやいや、ちがうんだ次のバスなんだと身振りで表したが、直ぐに理解してくれなくて、16:45と書いてようやく理解して貰った。

既にバスの改札は始まっていて、飲み物を買ってバスに乗込みます。座席は28番で探すと、一番最後尾の真ん中の席だった。 バスは2−1の3列シートでゆったりしているが、最後尾は4列になっていて、さらに座席の位置が中途半端に高くなっているので、ちょっと乗りづらい。

自分が最後の乗客だったみたいで、ドアが閉まり出発となります。予定では20時には漢南のバスターミナルに到着する筈です。 運転席後ろのモニターでバスの案内が始まり、ハングルの後英語でも案内があるのには感心します。
街の中を少し走って、高速道路に入りソウルを目指します。 窓際では無いし、することも無いので単行本を読んでいると眠くなってきた。朝も早かったし一眠りすればソウルに着くかなとリクライニングを倒して寝ることに。

暫くして、アナウンスが流れた。なんだろうと起きるとバスが本線から外れて出口に向かっている。 確か直行だった筈だけど、どこか停留所?かなと思っていたが、停まる様子もなくひたすら一般道を走っている。 一瞬、乗り違えたか?と思ったが、しばらくしてようやく一般道を走っている理由が判った。

平行する高速道路に連なっている赤いブレーキランプの列「渋滞」です。 韓国の三連休とあって、行楽客でソウルへ向かう車線に渋滞が発生していたのです。

ありゃーまさかソウルまでこのまま一般道で走るんじゃないだろうなぁ?いつソウルに着くんだ?と思いうが、車内はいたって静か。日常茶飯事なのか? こうなっては致し方ない。このままソウルに着くまで我慢するしかないなぁ・・・

暫く一般道を走った後、再び高速道路に入る。どうやら渋滞箇所を抜けたのか、やれやれと思っていたら、サービスエリアに入って停車する。どうやらココでトイレ休憩のようだ。 10分位停車する筈なので、バスのナンバーを覚えておき急いでトイレに行ってくる。それにしてもサービスエリアのつくりは日本と変らないないなぁ

休憩ののち再び走りだしたバスは高速道路をソウルに向かって走る・・・このぶんだとどれ位遅れるかなぁと思いつつ、再び寝ることにする。 30分もしただろうか?またアナウンスがありバスは高速から下りて一般道を走り始めた。 あちゃーいつになったら着くのだろうか・・・

ソウル高速バスターミナルバス結局、ソウルの高速バスターミナルに着いたのは20時半近くであった。約1時間半の遅れです。後で聞いた話だと酷いと3〜4時間位遅れる事もあるそうです。

地下鉄に乗り換えて、明洞のホテルに着いたのは9時半。
あーお腹減ったと言うことで、荷物を置いて遅い夕食を食べに、明洞にあるサムゲタンのお店に行くと、なんとオーダーストップ後で駄目だとか

仕方無しに明洞を歩いていると、ポン引きが言い寄ってくるが適当に聞き流し、適当なレストランに入ってサムゲタンを注文します。
隣で日本人観光客が食べてるチヂミがおいしそうだったので、追加注文します。
腹も減っていたのでビールとチヂミが旨いや。

<つづく>