トラブル続きのYS11搭乗の旅
抑止
朝、5時過ぎに起きてみると、雨は止んで晴れ間も出ている。今日は天気が回復するのかなと期待するのですが・・・

今日は、隼人駅を5:58に出る肥薩線の始発で吉松へ向かい、吉都線へ乗換えて都城を経て宮崎へ向かい、今度は日南線を南下し志布志まで行き、バスで鹿児島空港へ行き、今晩の宿である妙見温泉へ向かう南九州ローカル線の旅計画です。

駅の改札で青春18に日付を入れて貰おうとすると、「どこまで?」と聞かれます。吉松に向かうと言うと、「今吉松の雨量計が規制値を超えたと連絡があって、大隈横川から先は運転出来ないかも知れないけど、どうしますか?」と言われます。

まあ、晴れているし、これから回復するだろうと勝手に良い方向に思い込んで、駄目なら戻ればいいや位と軽い気持ちで「取り合えず乗ります」と言い日付を入れてもらい、2番線に停車している吉松行きに乗り込みました。

キハ40のワンマン単行で運転士さんがやって来て、お客さんどこまで行くの?と聞いてきますので吉松までと言うと、「吉松が大雨で大隈横川〜吉松間が不通なんで、この列車も隼人で待機になるかも知れないですよ」と言う。

うーーん、それじゃあどうしようかな・・・と考えていると発車することになったみたいで、ホームのアナウンスが告げています。

定刻に自分と運転士2人だけで隼人を出発し、日豊本線から別れて列車は勾配を上り始めます。日当山を過ぎると天候は悪くなり、雨が降り出してきました。表山木では、吉松発肥薩線下りの始発と交換ですが、吉松で運転見合わせ(抑止)中と言うことで、交換なしで出発。

列車は勾配を上がり続けますが、どんどん雨は強くなってきます。さすがにキハ40の単行だと勾配に雨だと速度も出ないようです。

霧島温泉で、学生一人が乗り込んできました。

大隈横川に定時6:39到着。出発信号機は赤のままで、ここで抑止となります。運転士がやってきてここで暫く待ちますと言い、霧島温泉からのった学生に事情を話してます。

肥薩線開業当時に建築された駅舎のままで、とても歴史のある駅舎です。ホームの柱には戦時中に機銃照射さえた跡が残っています。学生は親に車で迎えにきて貰って学校まで行ってしまい、また運転士と2人になってしまいました。

暇なんで、駅舎をぶらついたりしてみますが、直ぐに飽きてしまい、列車に戻りますが、これまたすることがありません。

運転士は時折、業務用と書かれた携帯電話で電話をしていますが、状況は変わらずのようです。

停車して1時間を過ぎたこと、ちょうど上り2本目の列車の時間に近づき、駅に学生がやってきて列車に乗り込んできます。運転士が事情を話して彼らは暫く列車に乗って待ってましたが、30分が過ぎ何人かの学生の親が迎えに来て、待って居た学生を乗せて去っていきました。

雨は時折、ものすごい音を立てて降ってみたり、小康状態になったりですが、大隈横川駅に到着した時よりも状況が悪くなっています。

9時過ぎに携帯が鳴り、出てたら今日泊まる旅館からでした。なんでも「九州新幹線も肥薩線も止まっているので、今日来れるのか?」ということでしたので、「すでに吉松に向かっていので行きますよ」と答えておく。

抑止して3時間。運転士さんが「お客さん、もう状況は悪くなる一方で運転できないし、今上司と話をしたけど、交代の運転士がこれから吉松からタクシーでやってきて、交代したらそのタクシーで吉松へ戻るけど、一緒に乗って吉松まで行くか、それともお客さん一人で隼人までタクシーで戻るしかないけど、どうします?」と言います。

この時点では、他がどういう状況なのか不明だし、このままココに居ても仕方が無いので、駅員も居る、吉松まで行って判断しようと、運転士さんと同乗して吉松まで向かうことにしました。

吉松まで行けば、人吉から鹿児島空港への高速バスが吉松SAに停留所があり、そこから乗れるのを知っているので、それで空港へ向えば・・・

タクシーが来るまで運転士さんといろいろ話をしたのですが、昨晩吉松から隼人までの下り最終列車に乗務したが、雨で抑止になって隼人に着いたのが深夜2時過ぎだったそうです。

9時半過ぎに吉松から交代の運転士を乗せたタクシーがやってきて、引継ぎ後、タクシーに乗って吉松へ向かいます。

道は雨で場所によっては冠水して、対向車線の車が跳ねるとバケツをひっくり返したような水。
タクシーの運ちゃんも、慎重に運転してます。

途中渡る川もかなり増水していて、消防や警察なんかが警戒しています。10時過ぎに吉松駅に到着。改札に向かってみると「大雨で肥薩線・吉都線運転見合わせ中」と書いてあります。

これでは当初の予定が全て狂ったので、後は早めに旅館に行って温泉に浸かってノンビリするかしか無い。青春18は運賃を払って今日の分を取り消しして貰おうと、出札口で係員を大声で呼んで、「大隈横川で運転見合わせで運転士さんと今吉松まで来たけど、乗車分を払って今日の分を取り消して欲しいと言うと」最初は怪訝な顔だったが事情が飲み込めたのか、ああ、横川まで乗っていたお客さんね。と言って運賃を払い取消し印を押して貰った。

ついでに状況を聞くと、嘉例川にある雨量計も規制値を超えたので、肥薩線は全線で見合わせ。
今日は駄目だろうって。さらに高速道路も通行止めになっているとの事で、これではバスで空港へ向うことは出来そうもない。

残る手段はタクシーだけ。さらに状況は悪くなってきており、駅前の道も冠水し始めてきている。これは早いうちに吉松を脱した方が良さそうだ。

タクシー会社に電話してタクシーを待つと、さっき大隈横川から乗った同じタクシーでした。
「空港まで」と言って車を走らせ、さっき来た道を戻るように走る。
タクシーの運ちゃんの話だと、この雨の降り方は平成3年の大雨災害と同じ状況なんだそうです。特に吉松は盆地で水害になりやすい地域なんだそうです。

さて気になるのは、料金メーター。吉松から空港までは距離的に20kmの筈なので1万円は掛からないだろうと思うが、気になります。なんでも国道は、雨で昨夜から高速道路が通行止めになっているので、トラックやバスなどの大型車の通行が多い。運ちゃんは、昨晩吉松から隼人までお客を乗せて行った帰りに普段なら1時間掛からないのに渋滞で2時間以上掛かったよと言ってました。

およそ30分で空港のターミナルビルに到着。料金は7300円で昨日儲かった?分が消えてしまいましたが何とか危険地域を脱したと感じです。


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