香港アプローチとは?
香港啓徳空港は、南南東から北北西に伸びる滑走路が1本。無論両端から着陸できるが、この地域の風は南風が吹くこと多い。通常飛行機の着陸の際には抵抗を大きくするために風に向かって着陸します。南風の場合は北から着陸することになるのですが、空港の北側は、山が連なっており、北側から徐々に降下してくるのが不可能な地形だったのです。そこで、香港は障害物の無い西側から、空港の手前まであたかも、その先に滑走路があるように誘導電波に従って降下し、空港のわずか数キロ手前でその電波から抜け、パイロットの「目」によって滑走路に向かい、旋回を行う。
それが、高度300mと非常に低い高度で、マンションの立ち並ぶ街中で行うので迫力があったのです。マンションの洗濯物が手に届くのでは無いかと思うほど・・・
これが、通称香港カーブとか香港アプローチと呼ばれ長く親しまれてきたのです。

香港アプローチの始まり
香港アプローチの場合、水平飛行から着陸態勢に移る時、飛行機は一度香港上空を飛んでいる(日本からの場合)
着陸コースは、一度香港上空を通過しながら降下しUターンするように香港の九龍半島を目指す。ここからが香港アプローチ(カーブ)のショーの始まり
ビクトリア湾を眺めながら、香港島が見えると、すぐに油麻地周辺あたりで香港の街の上空を2千フィートの高度で進入する。
眼下にはビルが立ち並び、ネイザンロードもはっきり判る。夜だと夜景がいっそう綺麗に見える。
九広鉄道の線路をクロスししばらくすると、飛行機はILS誘導から離れパイロットが空港の位置を確認しながら、操縦管を操作しながら右旋回を開始する。
ここからがパイロットの腕にかかっている。

これぞ香港アプローチ
右に旋回し始めるのは、既に空港の5キロ手前からで眼下には九龍城の街並みが目に入る。
パイロットによって、このカーブを一気に曲がるか、少しずつ何段階に分けてカーブするかが違う。香港を拠点とするキャセイ航空(CX)のパイロット達は、カーブして空港の滑走路までの直線距離を稼ぐ為に、ギリギリまで直進し、カーブ角度を鋭くして一気に変針するパイロットが多い。
一方、余り香港アプローチの経験の無いパイロット(?)は、後者のパターンになりがち
この場合には、滑走路に降りる寸前まで機体が定まらなく(揺れる)なりがちで接地地点が遠くなり着陸滑走する距離が短くなってしまったり、しりもちをついてしまうことがある。
中華航空のオーバーランやJALのMD−11がしりもち事故などが記憶に新しい

カーブが始まるのが、九龍仔公園の手前からで、この公園の陸上競技場のトラックが眼下に見える筈
このトラックが良く見えるか見えないかでカーブの仕方が判る。
トラック全体が見える様で有れば、その飛行機は相当バンク角をとっている。
左側の窓側の席と右側の席の高低差が相当ついている筈。
逆に,余りトラックが見えないと、接地までに2度はカーブする羽目になる。九龍城の市街地上空が不安定で、空港の敷地寸前で再度,変針することもしばしば。
何はともあれ、接地してエンジンが逆噴射をすると「G」がかかる。
ここは、成田空港以上に過密空港なので、スピードを落としたら直ぐに誘導路へ曲がるように指示されることが多いからなのだ。
誘導路から駐機場に入り、停止位置まで到着するまで、シートベルトはそのまま締めときましょう。香港は駐機場が狭く急停止や急カーブすることもしばしばありました。

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