平成9年9月15日
今日は、スイス鉄道の旅を満喫?して翌朝には、帰国すべくチューリッヒの空港に向かわないとならない。
今回は、ケニア滞在中にどうしようか?考えるつもりでいたのですが、そんなことも決まらない内にスイスに戻ってきてしまったのです。
実はクールに泊まったのは移動しやすくて山に近い場所とう事で、来ただけなのです。
予定としては、10時の氷河急行に乗ってブリグを経由してベルンで一泊ことを考えていたのですが、氷河急行は一度乗っているから新鮮味が薄い。
まだベルニナ急行には乗った事がないので、8時48分発のベルニナ急行で、ティラノを往復して、再びクールに泊まるかどちらかにするしは無く、選択しなければならない。
ナイロビでクール駅まで預けた荷物を駅に取りに行った際に、ベルニナ急行の指定券をキープ(氷河急行は前夜キープ済み)しといて、ホテルまで戻り、荷造りを始めたけど、しまいに荷造りが面倒になって、このままこのホテルに連泊してする事してしまいました。
時計は8時を過ぎていますので、急いでフロントに行き、「もう一泊したいけど」と申し出て、部屋を確保して、ドアカードを交換して貰いました。
8時半にホテルを出て、駅のホームに行くと、ベルニナ急行と氷河急行が入線していました。
氷河急行には多くの旅行者や団体客が乗っていますが、ベルニナ急行の方は1ボックスに2人とか3人とかです。
列車は定刻にクール駅を静かに発車します。日本のようなベルも無ければ、モータが唸る音もなく、ホント静かに発車します。
列車はカーブを描きながらどんどん山を登って行きます。車内検札の後にベルニナ急行の説明が書かれたパンフレットと、記念品の販売リストを配ってくれる。
食堂車は無いけど、車内販売があるので、暖かいコーヒーを飲みながら変わりゆく風景を存分に楽しむことが出来る。
ただ、このベルニナ急行の車両の窓ガラスが薄いスモークになっているのが頭にキズ。風景の写真を撮るときはいちいち窓を開けることになってしまう。窓を開けると標高が高いのでひんやりした空気が流れ込む。
窓枠のテーブルに路線図があって、駅の標高が書かれているのでどこまで山を登ったか一目瞭然で、凄く便利です。
ベルニナ線はサンモリッツからイタリア国境のティラノまでが本線(?)なのだが、クール発の列車は、サンモリッツに寄らず短絡線を経由して、ティラノへ向かう。
Pontresina駅で今まで牽引してきた機関車から電車牽引に交換して、アルプス越えに向かいます。6両の客車に電車2両が連結されて、堂々の8両編成で走ります。
氷河を間近に見ながら徐々に木々が低くなり標高2000Mを超えると木も無くなり、高山植物や、氷河時代に削られたアルプスの山々の展望が広がります。
ヨーロッパの鉄道駅最高地点Ospizio Bernina駅で列車交換。この鉄道は、日本の箱根登山鉄道と姉妹関係を結んでいるので、列車の名称に「箱根」と銘板が付いた車両がやってきた。
列車は湖と氷河を眺めながら、今度はイタリア側に降りていきます。
くねくねとカーブを描きながら眼下に街並みが見えてきます。街の大聖堂らしき建物があってのどかなヨーロッパな街と言った感じです。
終点の手前に、有名なオープンループ線があります。窓を開けてじっくり様子を見ます。
スイスとイタリアの国境にはゲートと監視所があり、列車は開いてるゲートの間をくぐり抜けて、街の中に入り終点ティラノ駅に到着です。
ホームを降りて駅舎を抜けて街に出ると、やはりイタリアって感じです。
駅の向かい側には、イタリア国鉄の駅があり、ミラノへ抜けることが出来ますが持ってるスイスパスでは無論乗れません。引き返すか、ベルニナ急行と接続するバスでルガノへ抜けるしか有りませ。
今夜もクールに泊まるので、来た道を引き返すしかありません。ただ戻るのもしゃくなのでどこかで途中下車することにして、サンモリッツ経由で帰ることにします。
ちょうど、40分後に折り返し列車が出るのでこれに乗ることとして、取りあえず駅前のカフェで食事です。
パスタを頼み、急いで食べます。なんせ時間が無いのでゆっくりしてられないのが残念。今度来るときはもっとゆっくりしよう!と言い聞かせ、折り返しの列車に乗り込みティラノを後にします。
サンモリッツ行きの普通列車で、氷河が目の前に広がるAlp grum駅で途中下車する予定だったのですが、途中のPoschiavo駅で、最後尾にトロッコ車両が連結されたので、これに移り,オープン車両で車窓を楽しむことにしました。
標高が高くなるにつれて肌寒くなってきますが、とても気持ちが良く、途中下車することなく終点サンモリッツまで乗り通してしまった。
サンモリッツには15時過ぎに到着しましたサンモリッツは初めて降り立った街ですクール行きの列車もここが始発ですが、でうせなら、リゾート地として名高いこの街を見ないで帰るのも惜しいので、2時間程街を散策することにした。
さすがに世界に名高い観光地だけあって日本人観光客が多いこと多いこと。
湖畔を歩きながら、バート地区まで行き、市街地へ戻るようなルートで散策しながら町の様子を観察します。
結構、寒いです。シャツにトレーナーだけだったのでちょっと風があると肌にしみます。街も秋がそろそろ終わり(まだ9月なのに!)みたいな感じでした。
ぐるーっと散策して駅に戻ってきて、駅の窓口に氷河急行名物「曲がったワイングラス」が売っていたので、お土産に購入します。
18時発クール行きの急行に乗り込み、再びクールへ向かいます。
この列車には、食堂車が連結されているので、夕食は食堂車で取ることにした。
なんで、食堂車なんかで!と思われるかも知れませんが、もう日本では味わう事が出来なし、スイスの車窓を眺めながらの食事なんて最高ですよ!
(つづく) |