板門店ツアー その2
平成19年5月12日
臨津閣を出発したバスは、DMZ検問所に到着。
ここでパスポートチェックがあるのですが、実は昨日まで、2004年に敷設が完了して延期されていた京義線南北直通区間の試運転を5月17日に実施することについて南北協議が板門店で行われていた為、今週はツアーが実施で出来なかったそうです。
昨日も午前中までの協議予定だったので、ツアーバスはココまで来たものの、協議が終了しておらず、DMZ内に入れずに引き返しになってしまったらしく、今日はそういう事が無ければいいのですが・・・とガイドが検問の兵士と話しをしています。

どうやら今日はDMZ内に入れるようで、ライフルを肩から提げた兵士が乗り込んで来て、パスポートチェックを始めます。 前の座席からパスポートの顔写真と実物を見比べていきます。
全員のチェックが終わり兵士はバスから降りていきました。 ガイドさんは「皆さん、くれぐれも北朝鮮に亡命しようとしないでくださいね〜もししようとする人が居ましたらバスから降りてください。でないと私、会社首になります」となかなか面白いことを言うじゃないですか(笑)

板門店ツアーで北に亡命したいと言う人が居ないでも無いらしく、以前未遂に終わったこともあった(ツアー参加前に通報があってDMZに入れなかった)そうです。
逆に北から南へ亡命して銃撃戦になった事はあります。(旧ソビエトからの亡命)

バスが検問ゲートをくぐり、臨津江の橋を渡ります。この橋上では所々にバーを置いてあって一直線に加速して突破出来ないようになっています。
なのでバスも蛇行して走ります。 DMZ内を5分程走ると国連軍ボニパスキャンプに到着します。キャンプ内に入る前に再びパスポートチェックがあります。 若い兵士が乗り込んで来て、さっきと同様ココでパスポートの顔写真と実物を見比べていきます。

チェックが終わると兵士も乗ったまま、キャンプ内に入りますが、この観光バスはココから先は入れないので、国連軍のバスに乗換えます。
板門店内は、手荷物の持込が禁止されていて、持っていて良いのはカメラと双眼鏡だけと言われます。傘も雨が降っていても駄目。なのでココでは貴重品以外のバック類はバスに置いていって良いとのことなので、リックと傘は置いてカメラだけ持ってバスに乗換えます。

キャンプに入って直ぐに青い車体のバスが待っており乗換えますガイドさんが「同じ番号の座席に座ってくださーい」と言っていたので、同じ番号を探すと、さっきのバスと座席番号が左右が逆でした それに、バスの窓も大きくシートピッチが広くてゆったりしてます。

バスはキャンプ内にあるブリーフィングルームへ向かいます。バスを降りるとまずは記念写真の撮影です。
どうせ撮るのなら板門店の中で撮れば良いのに・・・ 撮影後部屋の中に入りますが、入口で「訪問者宣誓書」が配られます。
有名な?「万一の際は死んでも文句言いません」って言う奴です。まあ、実際には「訪問者の安全を保障することはできませんし、敵の行う行動に対して責任を負うことはできません」と書かれています。

宣誓書は日本語で書かれていますが、何回もコピーのコピーをしたのでしょう文字が擦れています。 最後に署名と日付欄があるので、サインして日付を記入します。
これで死んでも保障されません ガイドさんが説明しながら、板門店の歴史などをスライドで見て勉強をします。「北の方向を指差してはいけません」とか「板門店内は2列歩行で」とかの注意事項の説明がありました。

そして、バスに戻る際に、国連軍のゲストであることを示すバッチを受取り、右胸に示すようにと事でした。
すると。Mさんが「革ジャンだからどこに付ければいいんだよ」と文句を言ってました。 バスの乗り込み、板門店を目指します。

途中「自由の村」があります。ココはDMZ内にある唯一の村で、ここに住む人たちは税金が免除される特権があるが、自由に外を出歩くことは出来ず、農作業の際も常に兵士の監視下で行わないといけないそうです。
さらにその北側には北朝鮮の「宣伝村」があるのですが、今日は天気が悪く160mの高さを誇る国旗掲揚塔も上が霞んでいます。
キャンプから10分もしないで、板門店にある立派な自由の家に到着します。前に来た時はこの建物はありませんでした。
ガイドさんによると、南北融和の中で韓国が離散家族の面談場所として建設させたのですが、北朝鮮側からココでの面談を拒絶され手持ち無沙汰になってしまっているそうです。

広くて立派な階段を上がると、軍事停戦委員会議場です。 良く映像で見る場所です。以前来た時は会議場の外での写真撮影が出来たのですが、今は駄目なんだそうで、2列縦隊で会議場の中に入っていきます。
会議場に入ると国連軍(韓国兵士)が2人警備の為に入ってきます。がっしりとした憲兵です。 一人は会議場中央のテーブルに、もう一人は北側へ通じるドアの前に立ちます。
ガイドさんが「テーブルの上には触らないください。このテーブルの中央が国境で、外に建物と建物の間をつなぐコンクリートに続き国境線をなっています」と説明します。
さらに「このテーブルのマイクはソウルと平壌に繋がっています。この部屋の写真撮影は自由です。兵士さんと一緒に撮っても大丈夫ですが、兵士の前や後ろを横切ることは止めてください。するとツアーが中止となりまから」と なんか以前来た時と随分印象が違います。
前はテーブルの上にテーブルクロスがあって両国の国旗が中央でクロスして、その背比べ競争があったり、マイクのケーブルが何本の束ねられてそれが国境となっていたりしたのですが・・・
今は両国の国旗は消えて国連旗だけになりマイクのケーブルは消えすっきりとしています。 南側の観光客が会議場に居るときは北側兵士も外で監視していたりしましたが、今は南側の兵士が建物影に半分隠して見守っているだけです。


▲この中央のコンクリートが国境

▲この先のドアを開けると・・・

これも南北融和による体制の変化なのでしょう 折角なので、Iさんに兵士と一緒の写真を撮ってもらいました。
この部屋の見学は時間にして5分程度でしょうか、「みなさん集まってくださーい」の声で再び2列縦隊になって、会議場を後にします。

一旦「自由の家」に入って左側のドアから再び外にでて、脇にある展望台に上がります。
さっき入った会議場が眺められます。
ガイドさんが「ココでは絶対に北側に指を指さないでくださーい」と言ってまもなくMさんが「ねぇあれは?」って指を刺すものだから、ガイドさんが慌てて、「だから指差しは駄目って言ったでしょ!」と怒られていました。
この展望台の目の前にある北朝鮮の側の監視施設があって、そこの窓が少し開いています。どうやらそこから北朝鮮兵士が我々を監視しているようです。
「今日は何人来たのかとかを監視している」だそうです。

ズームしてみると>>>


展望台の反対側を見ると、北朝鮮の宣伝の村が遠望できます。霞んではいますが、国旗掲揚塔に掲げられている国旗がなびいているのが判ります。
ガイドさんがあの国旗がなびいていることは上空の風が強いってことですと説明してくれます。 ココも見学時間は5分位です。展望台を降りて再び2列縦隊でバスへ戻ります。

するとガイドさんが、Iさんに声を掛けてきて、「バッチどうしました?」とそう言えば、バッチしていません。
「あれバスに忘れたかな?」と言っていたIさんをガイドさんはいち早くバスに押し込みました

バスは続いて小高い丘にある第一監視所に停まって下車観光です。ここからは「帰らざる橋」を望むことができます。ここでガイドさんによる「ポプラの木事件」の説明があります。
この丘の下は軍事境界線で境界線を示す立て札もあります。でも既に錆びていて何が書いてあるのか判らない状態です。
ガイドさんによると、韓国側はハングルと英語、北側はハングルと北京語が書いてあるそうです。

さらにガイドさん曰く「ここから転げ落ちれば亡命となります」だって

朝鮮戦争時代に停戦協定が結ばれた、板門閣はココから遠くに眺めることができますが、北朝鮮領土内なので見学は出来ません。
北朝鮮側から板門店観光に訪れれば見学できるそうです。 再びバスに戻りますが、乗り口で「このキーホルダーは誰のですか?」と聞いて回ってます。自由の家に落ちていたそうです。 さて、続いては「帰らざる橋」を見学です。ココは下車することが認められていませんので、バスから車窓見学となります。

まず、ポプラの木があった場所でバスが停まり、写真撮影が可能となります。
バスが停まった時だけ撮影がOKとなります。 続いて、「自由の橋」です。ここは映画「JSA」で有名になりました(あ、自分はまだ見てないですこの映画)ので、皆さん盛んにシャッターを切っています。


▲ポプラの木痕

▲自由の橋

これで板門店見学は終わりとなりボニパスキャンプに戻ります。 最後はギフトショップに立寄ります。
まあ、「板門店見学」をしたと言う記念に買っていくと感じですが、みなさんなかなか喰いついています。 IさんやFさんがTシャツを買ってますので、自分もJSAと書かれたTシャツを1つ買いました。MYさんはビール(板門店に入る前の飲酒は禁止)を買ってこれで生き返るよぉ〜と嬉しそうです。

国連軍バスともお別れで、ここからは乗ってきた観光バスに乗り、一路ソウルを目指します。帰りは検問は無くフリーパスでDMZを抜けます。 すると、ガイドさんが記念写真を売りに回ります。
写真3枚に板門店の歴史が書かれたブック状になっており1つ15000ウォンだそうです。 写真を撮ったのは2箇所なのになんで3枚かと言うと、「南北休戦会議場の前」で撮影したように合成した写真があるので3枚と言うのです。 なるほど、上手いこと考えたなぁ〜

ここからソウルまで1時間ほどです。ですので16時過ぎには着けるねぇと話ていたら、ざぁーと雨が降ってきました。
板門店にいる間は霧雨状態でしたから、こんな雨じゃなくて良かった良かった。
道路も少し渋滞気味でしたがドライバーは右に左に空いている車線を走ります。

さらにソウル市内に入ると、道路の中央にある「バス専用レーン」を走ります。これ凄い。ちゃんとバス停の箇所には、止まっている(乗降中の)バスを抜けるように通過線があるのです。これは上手く考えられていますねぇ。 こういうバス専用レーンは日本にも欲しいところですが、広い道路を持つ韓国(ソウル)だから出来るのですねぇ

お陰でソウルの東和免税店には16時過ぎに到着して、板門店ツアーは終了です。
下車時に「宣誓書が欲しい人が居ましたら持って帰っていいですよ」と言われたので、記念に自分のを貰って帰ります。

ソウルも結構雨が降っています。ホテルへ戻るのですが、その前にロッテデーパートに地下で「韓国のり」を買おうと言うことで、市庁前を通っていきます。
初めて韓国に来た時はこの市庁前に建つ「ソウルプラザホテル」に泊まりました。
それ以降は高いので安いホテルばかりでしたが・・・

びっくりしたのは、前は市庁前は全て道路で車だらけだったのですが、車線がかなり減らされて広場のようになっています。 車社会からの脱皮なのか?まあ、悪いことではありませんね

ロッテデパートに入り地下の食品売り場に行きお目当ての「皇室のり」です。
以前Kさんからお土産に貰って食べたらとても美味しくてそれまでの「韓国のり」と違いとても美味しかったので、これはみんな買ってかろうと事で、10枚入り1パックが5束になっているセットを2つ買います。
Fさんは3つも買っています。意外と大きな荷物になりました。 キムチとかは帰る直前が良いだろうと言うことで、今日はそれだけ買ってホテルへ戻ります。

今晩は江南にあるKさんお奨めの韓国家庭料理店に行くことになっています。6時に再び集合と言うことで一旦部屋に戻り、荷物の整理をして、友人にエアメールを送ろうと昨日の機内で貰ったポストカードにメッセージを書いたりしていると、もう時間です。
タクシーを予約してあるからと玄関前にぞろぞろと降りて行くと、あれタクシーが居ない?
あれーと言ってKさんがホテルのスタッフにたずねてみると、どうやら来ていないのか、それとも来たタクシーに誰か乗ってしまったのか?

ホテルのスタッフも電話してみたりタクシーが居ないか道路に出てみますが、雨が降っているのでタクシーが捕まりません。 大型の模範タクシーを呼んだのでもう少し待ってくださいと言われ、しばし待つことに

なんだかんだ20分位まってよやくタクシー到着。乗り込み出発!と走り出しのですが、南山トンネルの入口あたりから渋滞しており、進んでは停まっての繰り返しです。

夕方の雨とあって車も多くて渋滞してまいました。Kさんがお店に渋滞で遅れるからと連絡をしていると、運転手がKさんにいろいろと話かけてきました。
どいやら、お店の後はどこへ行くんだい?いい店紹介しようっか?ってな感じで(笑)


空いていればものの10分位らしいのですが、30分程かけてようやく漢江を渡り、「新沙」近くのお店に到着です。
韓国の民家風になっている部屋には既にお刺身が準備されています。どうやらヒラメのお刺身のようです。

韓国はヒラメやソイなどが仁川あたりから出船する釣り船で釣れるそうで韓国でもお刺身がポピュラーなそうです。
ビールで乾杯して、刺身に舌鼓。ヒラメ、うーーん美味しいですねぇ
こうなるとビールより、韓国のお酒と言えば「マッコリ」だよねぇーと言うことで、マッコリを注文します。

Kさんがここのマッコリはウマイからと言って注いでます。どれどれと飲んでみると「おいしーぃ」適度の甘さで甘すぎでとても飲みやすいのです。あーでもこれドンドンいっちゃうから危ないよねぇ〜と言いながらFさんはMさんにどんどん注いでます。料理もどんどん出てきます。
辛いのもあればそうでも無いのもあるし、いろいろ食べて飲んでぇなのでいい気分になってきます。


最後にチゲみそ汁が出てきました。結構強烈な匂いなのですが、これが意外とクセにある味でした。
うー腹一杯になったぞぉぃ〜

この後は近くのカラオケって言う話もあったのですが、Mさんがかなりヨッパ状態になってしまい、とりあえずホテルに戻ると言うことになりました。
帰りは直ぐにタクシーが捕まり、ホテルへ向かいます。雨も止んだようで、夜空に星も見えたりします。

漢江を渡るときに、ソウルタワーが奇麗に見えます。一緒にタクシーに乗っていた、Iさんとタワーに行ってみようか?と言う話になり、ホテルに着いてベルボーイに、ソウルタワーって何時までやっているの?と聞くと24時まででケーブルカーは23時までと言う。

まだ22時になっていないので、Iさん、Fさん、Kさんの4人で行ってみることに。再びタクシーでソウルタワーのケーブルカー乗り場へ向かいます。

ソウルタワーは標高243m南山の頂上に立つタワーで、南山の麓からロープウェーでタワーまで山頂まで登り、展望台へ上がると言う形になるので展望台の高さは約300mですから見晴らしは抜群です。
ロープウェイ乗り場で往復券を7000ウォンで買ってロープウェイに乗り込みます。ぐんぐんと登りおよそ7分ほどで終点の山頂です。
ここから少し階段を登るとソウルタワーです。

真下から眺めるとソウルタワーはこんな感じです。
タワーのチケット売場で展望台へのチケット(7000ウォン)をぞろぞろ買ってエレベーター乗り場に向かいます。
乗り場では、チケットのバーコードを読ませてエレベーターへ
どうやら夜のソウルタワーはデートスポットのようで、右も左もカップルだらけです。そこにむさい男4人組はちょっと目立つなぁ

展望台に上がると、まあどこにでもよくある展望台ですが、海外の夜景ってオレンジ色の灯火が多いから奇麗に見えるんですよね。360度大パノラマなんですが、あちこちでカップルが寄り添ってと言うより密着状態なこと

いやー熱いですなぁ
30分ほど展望台で夜景&カップル鑑賞をした後、エレベーターで降りて再びケーブルカの駅へ向かいます。
駅に着くとちょうど下りのケーブルカーの改札が始まっていて、うちらも乗れるかな?と列に並び改札を通満員状態のゴンドラに乗り込みます。
オイオイこんなに乗って定員オーバーじゃないの?って感じで車掌のアガシも苦笑しながらドア閉めているし
まさかケーブルが切れることなんか無いよねって感じで麓の駅へ降りていきます。

ケーブルカーを降りて客待ちしている模範タクシーで明洞に戻ります。
まだ23時前なので、軽くやりますか?ということで明洞の街を歩きますが、土曜の夜にしては静かで昨日と大違いです。ぐるっと一回りして、結局ホテル近くの屋台で、ビールにチヂミと焼き鳥を注文します。

明日は、みんなばらばらの飛行機なの各自適当に観光やら買い物をして帰国と言うことになります。
で自分はKTXで釜山往復です

それにしてもチヂミは美味しいのですが、そんなに食べられません。それに「焼き鳥」って注文したのが、なぜか?「鶏肉の焼きうどん」みたいなのが出てくるし(笑)

わいわいやって24時頃にお開きとなり、Kさんとはホテル前でお別れです。

つづく