トラブル続きのYS11搭乗の旅
妙見温泉〜キズ湯〜
さて、空港に到着し、到着ロビーの掲示板を見ると「上空待機中」「大阪へ引き返し」「欠航」などの多い。案内放送でも出発便の欠航や遅れのアナウンスが多い。

空港から妙見温泉方面には地元の観光協会などが運営する「温泉バス」が走っており、この乗車券を買いに案内カウンターに行くと「大雨の影響で営業できない旅館も出てますが、大丈夫ですか?」と言う。さっき旅館から電話があって何も言って無かったので、「大丈夫みたいです」と言い3日間有効の乗車券を買う。

次のバスは11:55発でちょっと時間があるので、ちょっと早いけど昼食にしよう。今朝はおにぎりとパンで簡単に済ましたのでお腹がすいているし。
ランチメニューの「角煮丼」に目が止り、これにしよう!と注文。レストランには飛行機が欠航になって次の便を待つ人などでお客さんが次々に入ってきた。

角煮丼を一気に食べ、「温泉バス」乗り場に向う。
既にバスは待っていましたが、乗客はおらず自分を乗せて、バスは発車して、空港を北側から回りこむように、朝通った嘉例川駅へ。当然列車も動いてないので乗客はおらず発車して今度は南下する。

天降川に沿った道に出ると、天降川がまっ茶色の濁流と化しています。うわーこりゃ凄いなぁとバスから眺めてますが、宿はホント大丈夫なのかな?

約20分で妙見温泉に到着。バス停をおりて、おりはし旅館へは天降川を渡るのですが、これまた大増水。写真で見た景色とは全然違う光景が広がっていた。

川沿いに建てられたホテルでは、自慢?の川沿い浴場が既に水没しているところもある。

川を渡り、今日の宿「おりはし旅館・山水荘」にチェックインします。
さすがに今日はキャンセル客も多いそうで、今日は山水荘には2組だけだそうです。廊下からは目の前の小川が増水して、小橋が水没しているのが見える。これ以上増水しないように・・・

宿は最近新築されたので、非常にきれいになっていて、一人から利用できると言う嬉しい宿です。
2階の6畳和室に案内され、取り合えず、TVを点けてみると、どの地方局も大雨にニュースをやっている。

どうやら、鹿児島県北部、有明湾側の地域での水害が酷いようです。ニュースに見入ってしまい、小一時間が過ぎたところ、まずはともあれ温泉に入らないと言うことで、この宿自慢の「キズ湯」に入る。

まだ、他のお客さんは来ていないようで、誰も入っていません。「キズ湯」はナトリウム・マグネシウム・カルシウム・炭酸水素塩泉で、江戸時代に島津家の家人によって発見された、この宿に自噴する温泉です。
湧出温度は30℃と低く、「ぬる湯」と呼ばれており、名の通りキズの回復に優れているとの事です。

早速、そのキズ湯に浸かります。最初はちょっと冷たい感じですが、慣れてくると心地よい感じになり、体の回りに気泡がついてきます。炭酸成分が体の毛穴に残った空気を吐き出す感じで温泉の成分がじわじわ体に効いてくる感じがします。

もう今日はすることも無いので、のんびり温泉に浸かっること1時間。なんかとても至福の時間を過ごしました。
でも外は相変わらずの大雨。これじゃ外に出かけることもできません。部屋に戻って、TVを見ながらゴロゴロしていると、眠くなってきたので、布団を引き出して寝ることに・・・

17時過ぎに目が覚める。外はまだ雨が降っているが、一時に比べて弱まった感じがする。TVを付けると、今朝通った国道が通行止めになり、川内川が一部氾濫して吉松町に避難勧告が出たと報じている。

吉松で肥薩線の再開を待っていたらえらいことになっていたところでした。夕食が18時からなので、その前にまた一風呂浴びようと浴場へ今度は、「あつ湯」に入ってあったまることに。源泉温度が47℃と少し高いので、加水されていますが、その水も「温泉法による温泉」と言う。まあよく都内にある温泉銭湯と同じで井戸水の成分を調べたら温泉だったと言うようなものでしょう。

こちらの温泉も、妙見温泉特有の色と体への泡。うーーんいですねぇ。去年、霧島温泉にも泊まったけど、温泉の質はこっちの方が良い感じです

温泉に浸かっていたら、もう夕食の時間になってしまったので着替えて食堂へ向います。
ちなみにこの宿は1泊2食付の他、朝食のみ、素泊まりに自炊場まであり、多彩なニーズに応じている宿です。

食堂には、既にいくつかの料理が並べられています。何か飲みますか?
鯉のアライに黒ブタのしゃぶしゃぶサラダ、鮎のホイル焼きなど、どれも美味しい料理でした。

お腹が一杯になり部屋に戻り外を見ると雨も霧雨状態になってきたのを見て急遽湯めぐりに行く事にしました。
バスの切符には日帰り入浴券がついていて、この券で温泉めぐりが出来るのです(一部の宿は、追加料金必要)

ただ、こんな状況ですから、川沿いの眺めが良いとされている旅館は駄目なので、ちょっと山側のところから「きらく」の露天風呂に行くことにした。。ココは素泊まり主体の宿ですが、露天風呂が広いと言うのでチョイスしてみました。

昼より気持ち減水した天降川を渡り「きらく」へ。タクシーの事務所も兼ねているフロントで入浴券を差し出したら「露天風呂ですか?」と聞かれる。「ハイそうですが・・・」と言って追加の300円を払うと「雨でヌルイかも知れないけどイイ?」

まあ、熱いよりはいいですよと言って案内してもらう。「今日は宴会客だけで露天には入らないって言ってたから、帰りに電気消してね」と言いスイッチの場所を教わり、いざ入浴。

一時的に雨も止んで、蜩が鳴いて夏の夕暮れをかもし出しており、なかなか露天風呂が幻想的に見えます。

お湯の方はさすがに大雨が入ったのでヌルイですが、源泉の吐出し口の方はちょうど良い湯加減でした。体への泡のつき方は、宿のお湯の方が泡付きは良かったですが露天風呂の雰囲気はこっちの方が良いです。
夏休み最初の週末なので、本来なら賑わう筈の温泉街もひっそりしているので、なんか山奥の温泉に浸かりにきたようにも思えます。

温まっては外で涼んでの繰り返しをしていると次第に周りも暗くなってきたので、着替えて温泉を後にします。外に出たとたん、雨がポツポツ降りだしてきて、この辺を散歩しようかと思いましたが早々に宿に戻ります。

部屋で大雨のニュースを見ますと、今泊まっている、牧園町も大雨による河川氾濫の警戒地域になっているようで、夜に洪水なんて起きなければ良いけど・・・
寝る前に再び「きず湯」へ。キズ湯は夜10時から朝8時まで清掃の為にお湯が抜かれてしまうのです。なので早めに入ろうと9時過ぎから、ノンビリしていると、雷まで鳴っています。

果たして、明日のYS-11は飛ぶのだろうか・・・


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