「運航停止」
このニュースは世界中を駆け巡った。

チューリッヒ空港はパニックになった。全てのSwissairがフライトキャンセルとなった。
Swissairのチケットを持つ乗客が途方に呉れた。当初、乗客は他社へ振り替えを考えていたふが、連帯運送契約（アグリメント）を打ち切られてしまい、紙になってしまったのです。一時、Crossairでさえ、振り替えを拒否したのでその為、振り替えもできなくなり多くの旅行者が立ち往生してしまったのです。

一方、運航中のSwissair機は目的地に着陸せずに上空でチューリッヒへ戻ることになった。
目的地に滞在していた航空機は、直ぐにスイスに戻るように指示され、目的地で滞在していた乗務員を呼び出して、大急ぎでスイスに戻った。

チューリッヒ空港には、差し押さえを逃れる為に呼び戻した飛行機で溢れていた。チューリッヒから飛び立つのはクロスエアの飛行機とスイス国外の航空会社だけと言う状況になった。

今まで静観していたスイス政府もようやく運航停止と言う事態を受け、swissairと銀行、自治体との話。し合いに参加した。
このままSwissairを消すとなると、スイスの国政問題に繋がり、国内経済の柱の一つである「観光」に大打撃を受けることになり、国の威信（？）として、スイスの翼を存続させようと動き出した。

この時点では、当面の運航資金の調達が翌日には出来き、運航再開の予定するとの報道だったが、実際には資金調達が間に合わず１0/3も朝になっても全てのswissairの飛行機が空港に釘付けになったままになった。

この事態により、提携していたコードシェアやマイレージサービスも停止となりました。
JALはすぐさまに提携を中止し、成田発のコードシェア便もswissair発行の航空券では搭乗が出来なくなり、マイレージ提携も加算、無料航空券の利用も不可能になってしまいました。

この事態はスイス国民にとってもスイスの屈辱と写ったのだろう。
多くの国民がSwissair支援しようと募金や署名運動が、チューリッヒを中心に始まりました。特にSwissairは多岐にわたる産業グループを形成しており、Swissairの消滅によると失業者が何万人になるとの予測もあったのです。

銀行団も政府や自治体の要請にようやく重い腰を上げることとなります。銀行団はSwissairの再建計画に疑問視していたのですが、逆にこの事態により再建を考える役になってしまったのです。

なんとか、とうざの運航資金の目処がつき、10/4の午後になり、なんとか再び飛び上がる事が出来たのです。
日本線は、チューリッヒ発関西空港行き運航される事になり、足止めされていた旅行者がMD11に乗込み帰国につきました。

運航を再開したものの、運航停止前の便数を確保するだけの資金に余裕がありません。
また差し押さえが発生するかも知れず、そのような可能性がある空港には運航しないようにしたり、かなり運航コントロールが難しく、朝運航予定のフライトが昼にはキャンセルになったりするなど混乱が続いた。

一方、収益が低い路線からの撤退を進め、関西空港線については運航再開当日の飛んだ便を最後に、撤退し成田だけに集約することを決定した。

Swissairの運航停止と時を同じくして、サベナベルギー航空、AOM航空が運航停止に追いやれた。いわゆる連鎖倒産である。