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再出発


Swissは、新会社発足の際にグローバルアライアンス入りする事を目標の一つと掲げ、早ければ2003年夏に加盟とまで囁かれた。

Swissair時代、アメリカン航空と北大西洋地域でのアライアンスを結んでおり、Swissもこのアメリカン(AA)が加盟しているワンワールドに加盟すると見られていた。
一方、ドーズ社長は元KLM出身であることから、提携先についてはいろんな憶測が流れた。

しかし、ワンワールド寄りの政策は進んでおり、カンタスやイベリア、フィンエアなどとのコードシェア実施などワンワールドグループとの結びつきを強くしていく。

2002年9月にはマイレージサービスとして続いていた「Qualiflyer」を2003年より「Swiss Travel Club」と自社ブランド変更すると発表した。
この変更は、将来のアライアンス入りを目指しての改訂で、数社合同のプログラムからSwissの単独プログラムとする為であった。
今まで「Qualiflyer」に結束していた航空会社が独自のサービスを開始する事になり、10数年続いたQualflyerは消える事になった。

その一方、業績は思った程回復せず、各四半期決算もあまり良いとは言えない状況であった。
財政的に苦しくその都度、レイオフや機材・路線縮小を図りなんとか持ちこたえ少しずつ上向きになりつつある最中、SARS騒動がありアジアへの利用客が激減、さらに追い討ちでイラク戦争による利用者減と、再び悪化し、財政的にはお先真っ暗な状況に。

明るい兆しが見えない状況いていたが、SwissはJALとのコードシェア復活するところまで漕ぎ着けた。
特にJALとの提携は将来はFFPの提携も視野に入れるとの発表だったので、我々日本在住ユーザには嬉しい知らせでもあった。

また、新機材としてA340-300を発注することになり、明るい話題を提供してくれた。

が、一方で身売り話も欧米の経済紙面にしばしば登場する。
それらに話しは主に、ルフトハンザが買収して傘下に収めると言う話しと、BAが投資してグループ化を図ると言う2つであった。

これはSwissの財政状況が良くない事を裏付ける話しでもあるが、実際にもswissではこの2社による案を軸に交渉が進められていた。
社内でもLHにつくのかBAにつくのかかなり議論があり、なかなか交渉が一本化出来なかったようだ。

結局、Swissは2003年9月にBAとの提携を発表することとなった。
主な内容は、コードシェア運航、FFPの統合、ヒースロー空港のスロットをBAに譲渡することによる資金調達などが軸であった。
また同時に2004年にワンワールドへの加盟についても発表され、発足以来くすぶり続けていたアライアンス加盟問題の結論が出たように見えた。

しかし、この知らせにワンワールド加盟が決まった事は嬉しいが在日ユーザは複雑な思いであった。なぜならFFPがBAのプログラムでる「エグゼクティブ・クラブ」に統合されると言う事であった。
このサービスは日本人に使えないプログラムの一つとして有名だったからです。特に格安航空券ではマイル加算が0又は25%しか加算され無く、主にビジネスマンをターゲットとしたプログラムだったからです。

2003年10月からは、欧州路線での機内食有料化サービスが開始された。これも財政的な面から始った面がある。
既にアメリカのシャトルサービスなどでは定着化してきていたが、欧州のメジャーキャリアが始めた事はかなり衝撃を与えた。
その後、OSやIBなどが追従する様子であるが、利用者としては賛否両論があり特に長距離線から欧州線に乗り継ぐ利用者からは不満の声が多いようだ。

2003年11月にはイギリス〜スイス間のBA,LXのコードシェアが開始され、徐々に提携進んだがワンワールド加盟後のサービスなどは9月の発表以来2003年中には具体的な話しは何も出て来なかった。

2004年からワンワールド系のRTWである「グローバルエクスプロラー」でLXフライトが利用可能になったが、なかなか正式発表が無い状況が続いていた。
当初は2004年夏ダイヤからワンワールドメンバーとして各種サービスを提供する予定であった筈なのでそろそろ発表があるのでは無いかと思っていた矢先、3月に入り突然、ドーズ社長の退任のニュースが流れた。
理由は2001年11月に発生したクロスエアの墜落事故に絡んでの退任とされている。
後任には元ルフトハンザ取締役でドイツ国鉄から来たフランツ氏が就くことなっている(6月の株主総会で正式に就任)

この報を受けて、ワンワールド入りを破棄してスターアライアンスに寝返りするのでは無いかと言う記事が飛んだ。
それもその筈で、2004年にはワンワールドサービスを開始する筈だったが未だに発表が無い状態です。

その辺について関係者は「エグゼクティブ・クラブ」問題が解決していないからと説明した。
Swiss社内でもSwiss Travel Clubをエグゼクティブ・クラブに統合する事に反対する声が多く、統合化が遅れていると言う。
BAとしても当初の約束(?)であるプログラムの統合が終わらない段階で次のステップには進む気は無いようで、暗礁に乗り上げた格好になってしまった。

CRM的に両方のプログラムを比較した場合、Swiss Travel Clubの会員の方が企業として重要なカスタマーが多い事がSwissにとって大切でこれがBAに統合(流れる事)によって失う事による顧客減少を非常に恐れているようだ。

2004年6月3日Swissは、「ワンワールドへの加盟取りやめ」を発表した。
やはり、Swiss Travel Clubのエグゼクティブ・クラブへの統合問題が解決出来ずについには、BAとの提携自体もご破算になってしまった。
BAとの提携までを流してでも、Swiss Travel Clubのユーザがエグゼクティブ・クラブに流れてしまう事の方が影響が多いと見たのだろう
(さらに未確認な話ではあるが、2001年の運航停止の引き金となった銀行融資の遅延について、裏でBAが暗躍していたと言う噂話があってこれも原因の一つともされた)

ようやく成長基盤の整備が出来そうになったが、全て再出発することになる

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